ストレスだった面材の剥がれ
18年前に購入したヤマハ(YAMAHA 現トクラス)のキッチンの面材と、パモウナの食器棚(カップボード)の面材が剥がれてきたので、DIYでサンゲツのリアテックシートに貼り換えました。
キッチンの扉は「ピアノ塗装の技術を生かした扉面材」が売りだったのですが…
今ではこんなことに。どの扉も端から透明なシートが剥がれています。
透明シートの下の白い塗料が剥がれているのは、テープをくっつけて剥がしてみた実験の跡です。実験前は一応白い塗料は付いていましたが、いつ剥がれてもおかしくない状態でした。
(簡単にテープの粘着力で白い塗料は剥がれたのですが、結局塗料が残ったのは端だけで、あとは一気に透明シートと一緒に剥がれました)
こうなるのはうちだけ?と思ってネットで検索したら、1件だけ同じようにYAMAHAキッチン扉の面材が剥がれているという記事を目にしました。
剥がれてきた透明シートの粘着部分に汚れや埃が入り込んで汚い(T T)
取っ手をつかむ時にこの隙間に指先を突っ込んでしまい、爪と指の間から何度か血が出たことも。それが本当に痛いんだわ…
ケガ防止策として、ここにはしばらく白いマスキングテープを貼ってました。
そしてパモウナ製の食器棚の面材貼り替え前はこんな状態でした。
いつからか表面の透明なシートが下にずれてきて、上下に出現したベタベタにゴミや汚れが付くように。拭いても全く汚れが取れません。
部分的にシートが浮いている所もあって、本当に汚~い…
そこでついにストレス値がMAXに到達して修繕を決意!
既存のシートを剥がしてリメイクシートを貼ることにしました。
YouTube調査でシート貼りの師匠を発見!
私と同じような悩みを持つ人はいないのか?
素人でもシートをきれいに貼れるのか?
どんなシートが張りやすく、長持ちするのか?
私は本格的なシート貼りをしたことがないし、うまくいく気が全くしない…
そんな時にYouTubeで見付けたのが『壁紙はりかえ ウォールクラフト』さん。
こちらのダイノックシート系の動画をほぼ見つくしてすっかりファンに。
プロが惜しげもなくダイノックシートの貼り方を教えてくれるなんて感激…
この動画以外にも沢山あって、あちこちにシート貼りのヒント(というか答え)がありました。
私にもできるかも…というか、やってみたい!という気持ちにさせてくれます。
リアテックシートを選んだ理由
リメイクに使用するシートとして、私はサンゲツ社の『リアテックシート』を選びました。
リアテックシートとは、いわゆる一般的に“ダイノックシート”と呼ばれている化粧フィルムシートのこと。
ダイノックシートとは、3M社が販売している化粧フィルムシートの商品名です。
リアテックシートとは、サンゲツ社が販売している化粧フィルムシートの商品名です。
調べてみたところどちらも間違いないという印象でしたが、ダイノックよりリアテックの方が少し安く買えるのと、リアテックでも十分間違いはなさそうだったのでリアテックを購入しました。
安いリメイクシートと比べると…
リアテックシートは裏面に空気を抜くための溝加工がしてあって、施工中の空気抜きがしやすい仕組みになっています。
100均やネットでもリメイクシートが販売されていますが、安いシートは空気が抜きにくい、薄くて弱い(薄いと伸びやすく貼りにくい)などの理由で素人にとっては難易度が上がってしまいます。
(以前3段ボックスに100均のリメイクシートを貼ったことがあるのですが、リアテックシートとは厚さや空気の抜け具合が全然違います)
面積が小さいもの、一時的にキレイに見えればいいものなら安いリメイクシートで十分だと思います。
ですが、キッチンや食器棚のように絶対に失敗したくないもの、長く使いたいものに貼るのなら、素人こそしっかりした質の高いシートを使用するのが成功の秘訣なのではないかと思いました。
ちなみに「リアテックシート 耐久年数」と調べると、サンゲツ社より
「表面の特殊フィルムが紫外線を吸収し、プリント層の劣化を防ぎます。 屋外垂直面使用で約10年の耐候性があります。」
との説明がありました。屋外で10年なら、屋内で15~20年ぐらいはいける??こればかりは使ってみないと分かりませんね。。
リメイクに必要な材料を揃える
シート貼り替えに必要なものを揃えます。
- サンゲツ リアテックシート
- スキージー(ヘラ)
- プライマー
- うすめ液
- プライマーを塗布する刷毛
- カッター
- 紙やすり
- 定規
- パテ
- 汚れを拭き取る布
◆サンゲツ リアテックシート
今回はTA4722という型式を使用しました。白マットで光沢はありません。
(※光沢があるシートは表面の凹凸が目立ちます)
サンプルをいくつか取り寄せて型式を選び、最終的にYahooショッピングの「壁紙わーるどYahoo!店」で購入しました。
★購入価格はこちら→今回のリアテックシート貼りにかかった費用
購入の際にリアテックシートが何m必要かを計算するためにPCで簡単な図を描きました。
食器棚とキッチンの扉を全部貼り替えたらどれだけシートが必要になるのかを知りたかったからです。
図の各パーツの内側ラインは引き出し前面のサイズ、外側ラインは巻き込み部分や予備スペースを考慮したサイズです。
幅1m22cmのシートを無駄なく効率よく使うために各パーツを並び替えたところ、約4mが必要ということになりました。
シートには木目などの模様がないので、縦向き横向き関係なく並べることができました。
◆スキージー(ヘラ)
スキージーはサンゲツのリアテックシート購入時に付属していたものを使用。
◆プライマー
これも絶対に必要だと動画で習ったので購入。
動画でウォールクラフトさんが使用されていたNIPの“ニップ Nプライマー001”を購入。
3Mから出ている“ダイノック DP-900N3プライマー”でもいいかと思います。(むしろこの2つの違いが知りたいけど分からない)2つとも金額的にはそこまで変わりません。
私は他の場所でもプライマーを使用する予定があったのでとりあえず1Lを購入しましたが、使用後もまだまだ余っています。食器棚の面材だけなら200mlほどあれば余裕で足りると思います。(プライマーを塗るのは面の端部だけ)
◆うすめ液(下地材によって使用するかどうか判断する)
汚れや油分を取り除くために、拭き取り用の布に染みこませて使用。下地材の種類によっては使用しない方がいい場合もあるため、使用前に調べる。
◆刷毛
端2~3cmぐらいの幅にプライマーを塗れるような幅の狭い刷毛を購入。
毛が簡単に抜けるような刷毛はプライマー塗装中に毛が付いてしまうので、当たり前に毛が抜けるようなボロい刷毛は使用しない。
◆カッター
遊びがなく使いやすいカッター。よく切れる新品の刃を何枚か用意しておく。少し切れ味が悪くなったなと思ったらケチらず折って使用する。
◆紙やすり(目立つ凸凹がある場合)
既存シートを剥がした後の表面に凸凹があればやすりで整える。
またはカッターでシートの端部をカットした際にひっかかりを感じる時は、シート断面部に軽くかける時もある。
◆パテ(目立つ凸凹がある場合)
やすり(サンドペーパー)をかけることができるパテを購入する。パテの種類によってはやすりがけできないものもあるので商品説明欄をよく見る。
私はホームセンターで“木部補修用 木工パテ”を購入。
◆定規
ウォールクラフトさんが使っているような地ベラ?は近隣では高いものしかなかったので、ホームセンターで“アサヒペン 障子用カット定規 984 200mm”を購入。端から同じ幅でカットできるので便利。
ステンレスのスケールなどでも代用できると思います。
◆拭き取り用の布
私は家にあった“SCOTT Shop Towels ブルーロール”を使用。
やすりがけした後の埃を取り除いたり、うすめ液をしみ込ませて汚れを取る(脱脂する)ために使用する。
不要になった布などでいいと思いますが、埃が出にくいものがおすすめです。
既存の面材(表面シート)を剥がす
取っ手を外して既存のシートを剥がしていきます。
いざ既存のシートを剥がすとなると本当にやってしまっていいのかという気になってしまうものですが、思い切って剥がしていきます。
(既存シートを剥がしてから新しいシートを貼るまで間が空いたので、写真は一旦取っ手を取り付けている状態です)
端の内側だけ妙にガッチリとくっついていましたが、端さえ剥がせばスルッと剥がれました。
下地はこんな色だったんですね。
ちなみに引き出しの外し方はこちら↓ うちの食器棚はタイプ②の外し方でした。
下地を整える
表面はかなりツルツルだったのですが、部分的に水気を含んで膨れていたので、膨れている所だけやすりをかけました。
うすめ液で拭いて脱脂しました。まぁまぁな刺激臭があるので家族に文句を言われます。
刷毛にプライマーを含ませて、シートを貼る面の端にゆっくりと塗布します。
(プライマーも刺激臭があります)
何度も塗りたくなるけど、何度も塗るとダメらしい。ダマになったり剝がれやすくなるそうです。
じゃあどんな風に塗れば?と思った方は『壁紙はりかえ ウォールクラフト』さんの動画を見て確認してください。これが一番間違いないです。
リアテックシートを貼る
カットしたリアテックシートの端を剥がして貼り、スキージー(ヘラ)で払いながら残りを貼る。
これも動画を見てイメージをつかんでからやるとスムーズです。
ポイントはコーナー部分!角が浮かないように、手に軍手をはめて(または布などで)しっかりと押さえつけて貼る。絶対に剥がれてくるなよ…という念を込めて。
リアテックシート裏の気泡を逃す溝加工の効果は抜群です!もちろん面積が小さいからもありますが、気泡に悩まされることはありませんでした。
左右と上部の端は巻き込んでカットし、下は巻き込まずに断ち切りました。
取っ手を付けるための穴をカッターで開けます。このデザインカッターは先が細く小回りが利くので穴あけに使用。端を切るために使用したカッターとは違う物です。
完成!
取っ手を取り付け、元に戻して完成です。
色が変わったわけでもないので写真では分かりにくいのですが、新品のようにスッキリ!本当に貼り替えて良かった!
何が大変だったかって、まずは掃除しながらの作業だということ。
引き出しを外して掃除することなんて滅多にないので、引き出し1つずつの中身を出して奥の汚れまで拭いた作業が結構大変でした。
あとはシートの角を貼る時にしっかりと手で押さえ付けるので、手が痛くなった。
ヘラで押さえてもいいんだけど、素人なので力加減を間違えてシートを破ったりしそうだったので手で押さえて貼りました。
キッチンの面材も貼り替え
食器棚のリアテックシートの貼り替えがうまくいったので、次はキッチンの面材の貼り替えです。
(夜撮影のため電球色で黄色く見えますが、キッチンの化粧シートは白です)
シートがつるっと剥がれる場所と…
シートに下地がちょっとくっついてくる場所がありました。凸凹が目立つ所はシートを貼る前にパテで埋めました。
全部剥がし終わったところ。手前引き出しと奥引き出しの下地の種類がなぜか違うものでした。
(当時キッチンの一部サイズをオーダーで変更したからかも?)
奥の方は白っぽく見えるけど薄い茶色です。
食洗器の扉面材は外枠のネジを外せば簡単に取り出せます。木の板にシートが貼ってあります。
キッチン引き出しの外し方はこちら↓
そして、ついにキッチンの引き出し全てにリアテックシートを貼りました。
完成した時は自分に拍手を送りたかったです!
「いいわぁ~!すっきりしたわぁ~~!新品みたいや~~!」としばらく喜んでました。
家族の反応はほぼ無いに等しいですけど。 いいんです。私さえよければ(笑)
作業は休日に行ったのですが、食器棚とキッチンの両方で合計約3日間ほどかかりました。そのうち半分は掃除だったように思います。でもついでに扉の中身の整理もできて良かったです。
今回のリアテックシート貼りにかかった費用
今回の食器棚とキッチンで必要だったリアテックシートは約4mです。実際は他にも貼りたい所があったので+2mで注文しましたが、4mだといくらかかったかを計算してみました。
◆リアテックシート4mにかかった費用◆
購入した当時(2023年夏)は10cmで189円(税込)だったので
・189円×4m=7,560円(税込)
・送料700円
【合計8,260円)】
私が購入した時にはクーポン割引500円があったのと、リアテックシートを購入することでポイント1,200円分(Yahooショッピング)が付いたので、リアテックシート自体は実質6,560円で購入できました。
現在は10cmで179円と、私が購入した時より安くなっているようです
→壁紙わーるどYahoo!店 TA4722
3M社のダイノックシートを使用した場合の費用
ちなみに3社のダイノックシートだと私が見た所、現在では安くても10cm250円(送料無料)です。
ダイノックシートの場合、4m購入すると10,000円(税・送料込 / ポイント別)なので、リアテックシートに2,000円弱追加すればダイノックシートを購入することができるとこうことになります。
→例:DIY内装店ダイノックフィルム PS-503(※型式によって金額は異なります)
貼り方のコツを覚えれば応用できます
今回はシートの他にプライマーや刷毛、定規を購入したのでプラス6,000円ほどの出費がありました。
これらは他の場所の施工にも使用できますが、リアテックシートの費用にこの6,000円を足したとしても1万3千円弱で(←クーポンやポイント使用して)きれいに蘇ったので、食器棚を購入し直すことと比べれば私にとっては大満足な結果です。
こういう経験をすると色んな場所を自分でリメイクできるようになるのが最大のメリットです。次に貼りかえる時には今回よりも少しはスムーズにできるといいな。