燃焼室の熱をどうやって焼成室に届ける?
他の人が作っている二層式の窯はどんな仕組みで下段から上段に熱を伝えているんだろう?と思いながら雑誌やネットをいつも見ていました。
例を沢山見ましたが、燃焼室から焼成室に炎(熱)が届くように窯の奥に隙間を作る設計が多いようでした。
その隙間の形状は大体横長の長方形でした。
そこでまた参考にしたのがフランス式の窯でした。
フランス式の窯の焼き床には丸い穴が開いていて、その穴からすごい勢いで炎が噴き出している場面が印象的でした。
炎は渦を巻くように、らせん状に上昇するという認識があったため、炎の吹き出し口が円形というのは理にかなっている気がしました。
そう考え出すと絶対に丸い穴がいい!と思うようになったのですが、果たしてどうやってレンガを丸く切り抜くのか…??
レンガを丸くくりぬく工具も見つけたのですが、そんなに再々使うもじゃないから買うのもなぁ…ということで、
長い間迷った挙句、1枚のレンガに丸い穴をあけるのではなく、レンガ数枚にわたって1つの大きな穴を作ることにしました。
焼き床に穴をあけて設置する
レンガを並べて確認し、モルタルで固定していきます。
扉の設置
アサヒキャスターはレンガとレンガをくっつけるけど、レンガと鉄をくっつけることはできるんだろうか…?
という疑問のもと、とりあえずやってみることに。
扉の下になるレンガに十分に水を含ませて(水をいっぱい含ませたタオルをレンガの上にしばらく置く)
ゆるめのアサヒキャスターを塗り、扉を設置。
ドーム部分を作る
さて、設計図があるのはここまででした。
ドーム部分は緻密に設計することが無理だったので、ここからは本当の現物合わせです。
頭の中でこんなふうに…という構造はあるけど、それがちゃんと形になるか?
まずは1段目。
1段目でレンガを立てて置くと高さが出すぎるのでは…?と思ったのですが、扉の入口の高さが結構あるので立てて置くことに。
入口のトップの高さよりも、ドーム部分の天井のトップの高さが高くないといけないからです。
この扉を選んだ理由
石窯作りを実行に移せずにいた期間、扉はどんなものをつけようかと妄想するのも楽しみのうちの一つでした。
オーダーするとシンプルな造りの扉でも結構な値段になるらしいので、既に扉として販売されているものを買うことにしました。
こんなにピザ窯ピザ窯と巷で耳にするようになった割に、扉だけを販売している店は少ないようです。
それもそのはず。ピザだけを作るのなら基本的に扉や蓋はいらないのですから。。
ピザというよりは窯料理やパン焼きに扉が必要となるかと思います。
扉の販売会社を調べ始めるとすぐに出てきたのがこの扉でした。
ばすぷすん工房 ピザ窯用の2枚扉・7号
家庭用の窯の扉として、私の理想に近いものがこれでした。
私がこの扉を選んだ理由は次の5つです。
①デザインがカッコいい
②扉を半分だけ開けれる
③枠が固定された開き戸だから、いちいち取り外ししなくていい
④小さな穴から覗ける!
⑤作る時に入口のアーチが楽に作れる
扉は窯の顔のようなものなので、やっぱりデザインは重要ですね!
そして、熱が一気に逃げないように半分だけ開けれること。
毎回蓋を両手で取り外ししなくてもよい固定式であること。
炎の具合を小さな窓から覗いて確認できること。
そして 扉の設置 にも記載した通り、扉自体にレンガを乗せれる奥行き(マチ・厚み)があるので、わざわざ型を作らなくてもいいこと。
以上が決め手となり、この扉に決めました。
オーダーの扉に比べれば安価ですが、約3万円(送料無料)の扉です。
他に1~2万安い扉や蓋も販売しています。
この扉を選ぶのは贅沢すぎるかな…と思ったけど、
いやいやいや!ここで1万ケチって、後になって
「一生に一度の窯作りだったんだから、あの扉にしていたらよかったな」
なんて思いたくありません。(お得意の考え方パターン)
考えに考えて、ついにヤフーショッピングのポイントが沢山付く時に思い切って購入。
届いた扉は丁寧に梱包されていました。
開梱すると、中からなんともカッコいい扉が…
重量感といい、丁寧に作られて塗装された感じといい、本当にこの扉にしてよかったと思いました。
この扉のレビューで、窯に火を付けたら鉄の扉が膨張して窯にヒビが入った…というような低評価がありましたが、それは当然予測しておくべきこと。
逆に熱で膨張しない鉄ってあるんだろうか…?
初めて火入れした時にヒビが入ることを想定して作業を進めないといけません。
(窯に無駄に鉄を使用しないのはそのためです)
またはそれが嫌な人は窯本体に取り付ける扉ではなく、置くタイプの蓋にしたほうがいいかもしれません。
焼成室作りを動画で見る
焼成室を作った時の動画です。
ドーム部分を作る所までをまとめました。