ヤマアジサイの育て方

ヤマアジサイは山あいの沢沿いに自生する、湿り気のある涼しい環境を好む植物です。

置き場所の条件がうまく合えばのびやかに育ちますが、庭先やベランダで毎年かわいらしい花を沢山咲かせようと思うとなかなか難しく、なぜ今年は咲かなかったんだろう?と不思議に思うことがよくあります。

紫陽花の種類によって育て方が若干変わるとは思いますが、思うように花が咲かない時は、もしかしたらこちらにヒントがあるかもしれませんのでご覧になってみてください。

私も毎年新しい発見があるので、育てながら気付いたことは追記していきたいと思います。

置き場所

🔸3月~梅雨時期
日当たりの良い戸外
※梅雨の合間に強い日が差す地域は、梅雨のうちに日よけをした場所へ移動させます。


🔸梅雨明け~9月
明るい日陰か木漏れ日が当たる戸外
※直射日光を避けます


🔸10月~11月中旬
日当たりの良い戸外


🔸11月中旬~2月
寒風が当たらない所

🔸マンションなどベランダの場合
エアコンの室外機の風が当たる場所や、ベランダ床のコンクリートの熱が伝わりやすい場所には置かないようにします。
ある程度高さのある木の台の上で、風通しが良い場所が理想です。
夏は日よけをしてください。

🔸鉢植えの場合
梅雨明けと同時に明るい日陰に移すか、寒冷紗などで日よけをします。

🔸地植えの場合
西日の当たる場所を裂けて東向きの場所に植えます。鉢植えと同じく、夏は木漏れ日程度の日当たりが最適です。
風通しの良い場所が理想ですが、冬に北風が当たる場合は数本の支柱を立てた上から寒冷紗などで覆い、紐で縛って寒風よけをして花芽を守ります。

 

水やりの目安

🔸春・秋…1日1回
🔸夏…1日2~3回
🔸冬…2日に1回

ヤマアジサイは乾燥を特に嫌うので、水は1年を通して切らさないように注意します。夏場は特に注意が必要です。

葉が薄くて茎も細いので、夏の直射日光や乾燥、冬の寒風にとても弱く、突然調子を崩すことがあります。夏の日よけ(寒冷紗)は木漏れ日程度の50~60%が理想です。

もし土が乾いてしまったら、すぐに腰水(バケツに水を張って鉢下1/3を浸し、鉢底から給水をさせること)をして様子をみましょう。
萎れていた葉が復活して十分に水を吸ったらバケツから出し、しばらく注意して様子を見てください。
ずっと水に浸かっていると根が呼吸をできなくなってしまうので、腰水は10分ほどで切り上げます。

剪定

🔸花後すぐ(6月~7月初旬頃)

花が終わったら、できるだけ早く剪定・植え付け・植え替えを行います。遅くてもお盆前には剪定を終わらせます。
花後の剪定は、通常花から2節下の節の上で切りますが、背丈を小さくしたい場合は下の方にある芽を確認し、その芽の上でカットします。

基本的には、できるだけ強すぎる剪定はせず、伸びやかに育てる方が花芽はつきやすいようです。

11月~3月に枯れた枝や込み合った枝を整理する程度の剪定をしてもかまいませんが、枝先を剪定すると花が咲きませんのでご注意ください。

剪定についての詳細はこちらをご覧ください

植え付け・植え替え

🔸11月~3月頃
※購入株は花が終わった後の6月頃
植え替えでは根鉢をくずして一回り小さくし、新しく用意した用土を入れて水をたっぷりと与えます。寒冷地は凍結や霜で根がダメージを受けるため、3月になったら植え替えを行います。


用土と花色調整

用土配合の一例

🔸 青い花を咲かせたい場合…赤玉土4:鹿沼土3:無調整ピートモス2:パーライト1 など
🔸 赤い花を咲かせたい場合…赤玉土6:腐葉土2:バーミキュライト1:パーライト1 など

上記の配合は花色を調整したい場合の配合の一例で、特に決まりはありません。
用土は基本的に水はけのよい赤玉土(小粒)を主体に、青い花を咲かせたい場合はピートモスを、赤い花を咲かせたい場合は腐葉土を混ぜます。

紫陽花の花色に適した用土が販売されているので、それを使うのが一番手軽かと思います。
それでも思うような花の色が出ないこともよくあります。


肥料

🔸花後
発酵油かす、緩効性化成肥料など(控えめに施します)
🔸12月下旬~1月下旬
発酵油かすなどの有機質肥料など(一番大事な肥料です)

肥料もアジサイの花色に適した肥料が販売されていますが、肥料だけではなかなか花色の調整は難しいことが多いです。

花が咲かない時のチェックポイント

① 剪定のタイミングが間違っていないか?
剪定は花後すぐ行うのが理想です。剪定が遅れると枝が充実しないまま花芽形成の時期(秋)を迎えてしまい、翌年花が咲かない事があります。
また、秋以降に枝先を剪定すると翌年の花は咲きません。目には見えなくても枝先には翌年の花芽が眠っていますので、冬の剪定を行う場合は明らかに枯れている枝だけにしましょう。

② 冬の乾燥した寒風に当たって芽が枯れていないか?
ヤマアジサイは特に乾燥に弱く、冬の寒風が当たると細い枝先が枯れてしまうため、鉢植えの場合は軒下や玄関に移します。
地植えの場合は風の通り道を避けて植えるようにし、冬は不織布で覆うなどの防寒対策をしましょう。

③ 病気にかかっていないか?虫がついていないか?
気温が上がってくるとアブラムシ・ハダニの被害が出ることがあります。また、5~6月頃から炭そ病、灰色かび病、さび病、うどん粉病等が発生することがあるので、発生する前に予防として殺菌剤(ベンレート)を散布します。
虫や病気を放置すると次第に株全体に広がって葉が枯れ落ちて光合成ができず、翌年花を咲かせない原因となります。

④ 日当たりが悪くないか?
春と秋は日当たりの良い場所に置いて光合成を促進させます。
夏の直射日光は避けますが、夏にまったく日が当たらない環境もまた翌年の花の数に影響を及ぼします。
100均で販売している遮光シートなどを利用して、木漏れ日程度の日陰を作ってみてください。

⑤ 矮化剤を使用した苗は弱りやすく、翌年あまり咲かないことがある
花が沢山ついた株は翌年花をあまり咲かせないことがあります。
また、生産者が矮化剤等の薬剤を使用して花を咲かせていた苗木の場合、根の成長が遅くなって環境の変化に耐えることができず、急に元気がなくなったり、翌年にあまり花を咲かせないことがあります。

肥料を与えすぎていないか?
肥料をきっちりと与えれば花が咲くと思うかもしれませんが、実はその逆です。肥料を与えすぎると花が付きにくくなることがあります。
ヤマアジサイはもともと痩せた土壌で育つ植物ですが、花芽ができる時期に肥料過多だと花芽ではなく葉芽に変わったり、葉や枝ばかりが育ってしまいます。
また、植物はある程度ストレスがあることで子孫を残そうとして花を付けますが、常に栄養が十分で危機感が無い状態が続くと「花を咲かせる必要がない」と判断して花芽を作らなくなります。
かといって肥料が不足しすぎても成長に影響を与えます。適切な時期に、適切な量の肥料を施すようにするのが良いようです。

水切れを起こさなかったか?
ヤマアジサイは花後から夏にかけて花芽の準備をし、秋に花芽を形成します。
その間に水が足りないと成長が止まったり、生き延びることを優先して花芽形成が後回しになります。
また、水切れによって根がダメージを受けることで水や養分の吸収が落ち、回復に時間がかかって花芽をつくる力がなくなってしまいます。
ヤマアジサイにとって水はとても重要です。

植え替えの時期は適切だったか?
植替えは根を傷める作業なので、一時的に生育が止まってしまいます。この生育停止時期と花芽形成時期が重なると翌年の花芽の数に影響を及ぼします。
夏は高温によるダメージで根が回復しにくいので、7月以降は植え替えは避けるようにします。